2021.6月号vol.50

治療を繰り返し歯を失うデススパイラル

歯は何回も治療できないことをご存知でしょうか?

一度治療を受けた歯は、数年後には再びむし歯になることが多く、繰り返しむし歯を削る治療を受けることになります。

このように数回のむし歯治療を繰り返すことで、やがて歯を失ってしまい、この過程を示したのが上イラストの「デススパイラル」と言います。

銀歯(保険適用)のむし歯治療を受けた歯は、平均5~6年で再びむし歯となり、再びむし歯の治療を受けるというデータがあります。一方、セラミック治療(保険適用外)を受けた歯は、17年後にも90%以上の歯の生存が認められているというデータがあります。

再治療までの期間が長くなることで、人生100年時代の現代において自分の歯で健康的に過ごすことができる可能性が高まります。

自分の歯がしっかり保たれることで生活習慣病や認知症などのリスク軽減になり、全身の健康維持にも繋がります。

当院では、むし歯が繰り返されることがないように、治療後には定期的なお口のメンテナンスによってむし歯の原因となる細菌を取り除くほか、治療ではむし歯の再発リスク軽減に繋がるセラミック治療を推奨しています。

データ引用:Long-term clinical results of chairside Cerec CAD/CAM inlays and onlays: a case series Otto, T ; Schneider, D

2021.6月号vol.50

歯は神経も血管もある大切な臓器

「歯の神経」と聞くと、歯の中を1本の線が通るようなイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、歯の神経の形は個人差があり、とても細く複雑な形となっています。

歯の神経は、痛みや温度などの感覚を伝達する大切な役割があります。

また、歯の神経には、いくつもの毛細血管が繋がっており、この毛細血管が歯に栄養を届けています。

歯に痛みを感じる原因には、むし歯のほかに、噛み合わせの問題や間違った歯ブラシ方法があります。

大きなむし歯によって、むし歯菌が神経の近くまで到達すると、歯の神経を取る治療を行い、神経を取った部分に専用の材料を入れて封鎖する処置をします。

神経を失った歯は、同時に毛細血管も失うため「失活歯(しっかつし)」と言い、見た目は通常の歯でも、栄養は届かなくなるため、最終的に歯を失うリスクも上がってしまいます。

歯は、神経も血管もある臓器の一つという意識を大切に、毎日のセルフケアと定期メンテナンスをはじめ、問題を感じた場合には早期受診で口腔健康を守りましょう。

2021.6月号vol.50

歯科技工所の変革

最近は、新型コロナウイルスワクチン担当大臣として、テレビなどにも出演されることが多い自由民主党の河野太郎大臣ですが、内閣府特命担当大臣(行政刷新担当)としての立場もあります。

現在、河野大臣が進める改革の一つに歯科技工界が取り上げられています。

改革の中心となっているのは、一つの歯科技工所内に複数の歯科技工所が入る歯科技工所の共同利用の概念です。

一言で歯科技工所といっても、その専門性は分かれており、保険の銀歯、審美性の高いセラミック、入れ歯など、技工所によって担当する技工が分かれています。

この改革が成立することで、専門性の高いそれぞれの歯科技工所が一つのフロアに集まり働くことができるため、より質の高い歯科技工がスピーディーに行われることになります。

当院でも導入している先進医療CAD/CAMシステムが普及し患者様のお口の情報が模型ではなくデータとして管理・製作することが可能になってきたことで、歯科技工士のリモートワークなど、その働き方は大きく変わってくる可能性があります。

歯科医療において、歯科技工士は大切なパートナーであるため、歯科技工所の在り方、歯科技工士の働く環境がより良くなる改革を期待したいと思います。

2021.5月号vol.49

怪我から守るスポーツマウスガード

皆さんは、日頃スポーツをしていますか?

大きな目標を達成するため、体を鍛えるために打ち込む方もいれば、健康のための習慣にされている方など、スポーツには様々なかたちがあります。

スポーツをする上で一番気をつけることは怪我ではないでしょうか?怪我によって、目標が達成が困難になってしまったり、ときには日常生活に影響を与えてしまうこともあります。

近年、スポーツ競技者を怪我から守るためのスポーツマウスガードの使用が増えてきていることをご存知でしょうか?

以前は、ボクシングや格闘技など強い接触がある競技での使用が中心だったスポーツマウスガードですが、現在は陸上競技のほかサッカーやバスケットボール、スキーなどでの使用も多くなってきています。

スポーツマウスガードによって、プレー中の事故や衝撃から歯を守るだけでなく、強い衝撃から脳や顎(あご)を保護し、脳震とうや顎の骨折、顎関節の損傷のリスクを軽減することが出来ます。

当院では、怪我から競技者を守るために、スポーツ種目やお口に合ったスポーツマウスガードをオーダーメイドで作製していますので、お気軽にご相談下さい。

2021.5月号vol.49

あきやま歯科クリニックの ちょっと小話~自律神経について~

最近、疲れや眠気、動悸や息切れなどを感じることはありませんか?このような症状がある場合、自律神経が乱れているせいかもしれません。

自律神経は、末梢神経の一つで、自分の意思で動かす運動神経などの体性神経とは違い、自分の意思で動かすことができない神経です。自律神経は、血液循環や呼吸、消化吸収、新陳代謝、体温調整などを休むことなくコントロールする働きを持っています。

自律神経には、活発な働きをする交感神経と働きを抑える副交感神経があり、この2つの神経バランスが大切と言われており、何もケアせずにいると10年で15%ずつ機能が低下していき、男性は30歳、女性は40歳を過ぎた頃から副交感神経の機能が急降下する傾向があります。

春は、新しい環境に変わることや初対面の機会も増えることで、自律神経が乱れやすい時期になりますので、自律神経を整えることを意識した生活が大切になります。

自律神経の良いバランスを保つためには、生活習慣と食習慣、適度な運動という健康維持にも欠かせない3つの要素が大切です。

生活習慣では、寝起きから神経を興奮させないためにも少し早起きして余裕のある行動を意識することと、1杯の水を飲むことで眠っていた間に失われた水分を補給しましょう。

陽の光を浴びることや、就寝の1時間半前に入浴することも自律神経を落ち着かせつために効果的です。

食習慣では、お酒やタバコは控え、免疫細胞の75%が存在する腸を整えるために、食物繊維(発酵食品・納豆・チーズ・味噌汁)を意識的に摂取すると良いでしょう。

運動は、あまり激しくない方が良く、30~40分のウォーキングが効果的です。

また、根拠のない焦りや不規則な生活はできるだけ避け、音楽鑑賞や笑顔でいることを増やすことで気持ちを安定させることも自律神経を整えるために効果があります。

2021.4月号vol.48

口腔健康を守る細菌コントロール

2月号の梅の木通信では、むし歯や歯周病の原因となる「プラーク」について、3月号では、プラークの住処となる「歯石」についてお伝えしました。

プラークや歯石を減らすことが、お口の健康を守ることに繋がります。

そのためには、毎日の歯磨きなどのセルフケアと歯科医院での定期メンテナンスを欠かすことはできません。

プラークが、むし歯や歯周病の原因となるため口腔内にあるプラークの数を減らすことができれば、そのリスクは大きく軽減することが可能になります。

毎日の歯磨きでは、できるだけフロスや歯間ブラシを使用して歯と歯の間にあるプラークを取り除くことが大切です。

また、歯科医院での定期メンテナンスでは、歯磨きでは難しい歯と歯ぐきの隙間などにあるプラークや歯石を専用の機器で取り除くことができます。

口腔内からプラークを無くすことはできませんが、その数をコントロールし減少させていくことが、むし歯や歯周病リスク軽減に繋がります。

2021.4月号vol.48

健康寿命を守るために

皆さんは、『オーラルフレイル』という言葉を聞いたことはありますか?直訳すると『口腔機能の虚弱』となります。

日常生活を問題なく過ごせる「健康寿命」を延ばすためにも、口腔機能を維持することが重要であり、オーラルフレイルが生じたときは早期発見・早期治療が大切になります。

むし歯や歯周病などで歯を失ってしまうと、食べ物を噛む、飲み込むなどの基本的なお口の機能が低下することで、食事の偏りの原因にもなり食生活の変化に繋がります。

食生活の変化によって、栄養バランスが乱れ、身体機能の低下から行動範囲の制限によって日常生活に問題が生まれます。

また、いずれ寝たきりになってしまうなど、健康寿命に影響が出る場合があることからも、お口の健康を守ることが全身の健康を守ることにも繋がり、健康寿命を守ることになります。

2021.4月号vol.48

新型コロナウイルス感染予防につながる口腔衛生

お口の中には、どのくらいの細菌が生息しているかご存知でしょうか?一般的な成人のお口の中には、300~700種類の細菌が生息しており

歯磨きなどのケアをほとんどしていない人では1兆個もの細菌が生息していると言われています。

免疫力と口腔環境には深い関係があり、特に歯周病の方は、免疫力の低下だけでなく、心筋梗塞や糖尿病などの全身疾患リスクも大きくなります。

また、最近ではお口が衛生的な人ほど、新型コロナウイルスの感染リスクが低く、万が一感染しても重症化を抑えられる可能性が高いという報告もあります。

お口の衛生環境が悪いと歯周病になり、慢性的に歯ぐきが炎症している状態になるため、出血や腫れが起こります。

このような状態は、新型コロナウイルスなどが口腔粘膜の細胞に結合しやすくなるほか、口腔粘膜の細胞表面を破壊し細胞内にウイルスが侵入しやすくさせてしまいます。

ウイルスから身体を守るためにも、お口の衛生環境は大切になりますので、毎日のセルフケアと歯科メンテナンスで口腔衛生を維持することが大切です。

参考:神奈川県歯科医師会HP

2021.3月号vol.47

細菌の住処「歯石」

治療や定期検診で歯科医院に通院されている中で、「歯石(しせき)」という言葉を耳にすることがあると思います。

歯石と聞くと、お口の健康にとって悪いモノというイメージはあっても、実際にどのような問題があるのかご存知ない方もいらっしゃると思います。

歯石は、磨き残しなどが原因となって発生する「細菌の塊(プラーク)」が、そのまま放置されることで、だ液に含まれるリン酸カルシウムと反応し、硬い石のような状態(石灰化)になったものです。

歯石そのものが悪さをすることはありませんが、歯石の表面は軽石のようにザラザラでデコボコしており、口腔健康に悪影響を与える細菌にとっては絶好の環境となります。

細菌の住処となる歯石があると、細菌も増殖し、歯周病や口臭を引き起こす大きな要因になります。

歯石は、歯磨きで除去することは困難なため、定期的に歯科医院でお口のクリーニングを受診し、専用の器具などを使って取り除くことが、お口の健康を守ることにも繋がります。

また、歯石ができないためにも、毎日の歯磨きや歯科定期検診で、いつも衛生的な環境を維持していくことも大切です。

2021.3月号vol.47

この先の健康を守るための口腔トレーニング

歳を重ねると全身の病気や歯を失うなどの要因によって、感覚、咀嚼(そしゃく)、嚥下(えんげ)、だ液分泌などの口腔機能が低下してしまう方がいらっしゃいます。

10年前、20年前に比べて、下表の項目に心当たりはないでしょうか?このような状態のままでいると、食べ物を噛むことや飲み込むことが困難になる「咀嚼(そしゃく)機能不全」「摂食嚥下(せっしょくえんげ)障害」に進行してしまう場合もあり、その前の段階を「口腔機能低下症」といいます。

10年前に比べると体力が落ちていることに気づくのと同じように、口の周りの機能も少しずつ低下していくため、ある日突然「口腔機能低下症」になるということはありません。

口腔機能低下症の予防のためにも、お口の周りの表情筋などを含めた筋肉トレーニングや、摂食嚥下機能を維持改善する口腔機能トレーニングが大切になります。

口腔機能低下症については、当院スタッフまでお気軽にお尋ね下さい。

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